喘息でも運動して大丈夫?
呼吸筋を鍛えて喘息発作を予防する
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
気管支喘息(以下、喘息)発作の予防は、薬物療法で十分効果を上げられるが、日々の健康管理やアレルゲンの回避など、日常的にできることは取り入れていきたい。薬と併せて運動や呼吸法などの非薬物療法を行うことで、喘息の症状も和らぎ、薬の量を減らすことにもつながるという。非薬物療法としてどんなことが効果的なのか、喘息のエキスパートである半蔵門病院(東京都千代田区)副院長の灰田美知子医師に聞いた。気管支喘息の第1回は「長引くつらい咳、これって本当に喘息?」、第2回は「喘息の薬は、症状がなくても使い続けるべき?」。

半蔵門病院(東京都千代田区)副院長
Q 薬物療法を始めてから、3カ月ほど発作は治まっています。体質を改善して、このまま喘息発作を起こさないようにできますか。気を付けることや、日常生活で習慣的にできることがあれば教えてください。(45歳・男性)
A
気管支喘息(以下、喘息)は慢性疾患なので、根本的には治せませんが、薬で発作が起こらないようにすることは可能です。現在、医療機関で処方される薬はとても効果がありますので、薬をきちんと使うだけでも健康な時と同じ生活を送れます。
ただ、薬だけに依存せず、喘息の原因となるアレルゲンを回避する生活や喘息発作を起こしにくい体を作るように心掛けることはとても重要です。風邪を引かないように、健康に留意することが最も大事です。補助療法として、運動療法や食事療法、呼吸機能を高める訓練など、自分でできることを習慣的に行うことで、発作を予防するだけでなく減薬にもつながります。特定のアレルゲンの役割が明確な場合は、そのアレルゲンへの反応を緩和するために、減感作療法を行う場合もあります。毎年の風邪対策も、必ずシーズン毎に復習しておきましょう。