7割は「首の腫れ」以外の症状なし! ひそかに進行する「橋本病」にご用心
自己免疫が甲状腺を破壊、甲状腺機能が正常でも定期的な検査を
田村知子=フリーランスエディター
40~50歳代の女性に多く発症する「橋本病」。橋本病は甲状腺機能低下症の原因となる代表的な病気だが、甲状腺機能が正常で自覚症状のない人のほうが多く、橋本病と気付かないうちに病気が進行するケースもあるという。日本甲状腺学会認定専門医施設、内分泌・甲状腺外科専門医制度認定施設である金地病院(東京都北区)院長の山田惠美子医師に、橋本病の原因や症状、治療について聞いた。甲状腺疾患の第1回は「季節の変わり目の不調、原因は『甲状腺の病気』かも」、第3回は「『甲状腺疾患は女性の病気』は誤解、『バセドウ病』患者の2割は男性」で6月21日公開、第4回は「薬、手術、放射線…『バセドウ病』治療に3つの選択肢」で6月23日公開予定。

金地病院(東京都北区)院長
Q 妻(55歳)の首が腫れていて、甲状腺の病気ではないかと気になっています。本人には多少の心身の不調はあるようなのですが、病院で調べてもらうよう勧めても更年期障害のせいだといって聞く耳を持ちません。医師に診てもらわなくても大丈夫でしょうか。(58歳・男性)
A 甲状腺の病気の多くは、甲状腺のあるのどぼとけの下のあたりが硬くなって腫れてきます。ただ、甲状腺が腫れているからといって、動悸やむくみなど甲状腺ホルモンの過不足に関連した症状が表れるとは限りません。例えば、甲状腺機能が低下する代表的な病気である「橋本病」の場合、甲状腺が腫れていても、甲状腺機能は正常で、自覚症状が全くないことも多くあります。そのため、気付かないうちに病気が進行していくケースも少なくありません。甲状腺の腫れに気付いたら、早めに甲状腺の検査を受けるようにしてください。
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