SSRI、SNRI、NaSSA…抗うつ薬はどれも同じ?
抗うつ薬にはそれぞれ特性がある
稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
うつ病治療の大きな柱の一つでもある薬物療法。近年、即効性があり、副作用が少ない抗うつ薬が登場し、従来の薬に比べて安心して使用できるようになった。とはいえ、精神科の薬に対する誤解や偏見もあり、使用することに抵抗を感じている人も多い。うつ病の薬物療法について、うつ病の治療に詳しい神田東クリニック(東京都千代田区)院長の高野知樹医師に聞いた。うつ病の第1回は「これって五月病!? GW明けは要注意」、第3回は「認知行動療法で『うつ思考』から抜け出す」で5月24日公開予定。

神田東クリニック(東京都千代田区)院長、日本産業精神保健学会理事、日本精神科産業医協会理事
Q 憂うつな気分が続き、仕事にも差し障るようになったため精神科を受診したところ、うつ病と診断されて抗うつ薬が処方されました。内服を始めて1カ月で、かなり気持ちが落ち着き、前のように気が滅入ることも減ってきたのですが、薬はいつまで飲めばよいのでしょうか。(24歳・女性)
A
抗うつ薬にはいろいろな種類があり、主治医が症状に合わせて処方します。服薬は一般に、半年から1年程度続けます。
薬は通常、少量からスタートし、まずは1週間もしくは2週間服用を続けてもらい、症状が軽減しているかどうかを判断します。効果が出ていて副作用がないかあっても軽いようであれば、少しずつ量を増やします。服用期間は人それぞれですが、軽症のうつ病の場合、服薬を3カ月は続け、症状が十分に改善したようならその後、3カ月かけて減薬、断薬できるケースもあります。症状が良くなったからといって、自己判断で減薬や断薬をいきなり行うと悪化する可能性もありますので、服薬については主治医の指示をよく守るようにしてください。