これって五月病!? GW明けは要注意
リフレッシュしたのに気が滅入り、生活に支障が出るなら早めに病院へ
稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
4月は入学や就職、転職、異動などで環境の変化が多い時期。新しい環境での緊張感や疲労をゴールデンウイーク(GW)にリフレッシュしてガンバロウと思いきや、休み明けから憂うつな気分に襲われ、やる気が出ない。これって、単に甘えているだけ? 日本精神科産業医協会の理事で、労働衛生のスペシャリストである神田東クリニック(東京都千代田区)院長の高野知樹医師に、5月に起きやすい心の不調について聞いた。うつ病の第2回は「SSRI、SNRI、NaSSA…抗うつ薬はどれも同じ?」で5月23日公開、第3回は「認知行動療法で『うつ思考』から抜け出す」で5月24日公開予定。

神田東クリニック(東京都千代田区)院長、日本産業精神保健学会理事、日本精神科産業医協会理事
Q 4月の異動で職場が変わって以来、気持ちがずっと張りつめていて、夜も熟睡できず疲れがたまっています。ゴールデンウイークの家族旅行で気分転換できたと感じていたのですが、連休明けから再び眠りが浅くなってしまいました。これは五月病なのでしょうか。病院を受診した方がよいですか。(43歳・男性)
A 通常、新しい環境に適応するのには3カ月はかかるといわれています。脳内はアンテナを張り巡らせ、たくさんの情報を取り込もうとするため、短期間にエネルギーをかなり消耗します。ゴールデンウイークに小休止することで、興奮状態から冷めて初めて疲れを自覚し、連休明けに体調不良を起こすことも少なくありません。この延長線上にあるのがうつ病です。早期であれば回復も早いので、疲れているはずなのに2週間以上眠れないようなことがあれば、我慢せず産業医や医療機関に相談することをお勧めします。
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