狭心症・心筋梗塞の治療はどう選ぶ?
血管の狭窄が軽度なら薬物療法、75%程度進んだらカテーテル治療か手術を
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
狭心症や心筋梗塞と診断されたら、すぐに治療が始まる。治療法は大きく分けて、薬物療法、カテーテル治療、バイパス手術の3つ。これと並行して生活改善を行う。薬の目的や効果、カテーテル治療の適用、バイパス手術の種類などについて、心臓外科手術のエキスパートであるニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区)総長の渡邊剛医師に聞いた。狭心症・心筋梗塞の第1回は「寒い冬の「突然死」をどう防ぐ?」、第2回は「狭心症・心筋梗塞を発見する方法は?」。

ニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区) 総長
Q 胸痛があったため、冠動脈造影検査を受けたところ、冠動脈が3本とも狭くなっている状態であることが分かりました。医師から心臓バイパス手術を勧められています。カテーテル治療よりもバイパス手術を受けた方がよいのでしょうか。手術をすると完治しますか。(60歳・男性)
A 心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の治療法には、薬物治療、カテーテル治療、冠動脈バイパス手術の3つがあります。カテーテル治療は開胸しないため、体への負担が少なく、治療後の回復が早いのですが、冠動脈が狭窄している場所によってはできないことがあるのと、狭窄が再発する可能性もあります。通常、狭窄を起こしている冠動脈が2本以上のときは、カテーテル治療ではなくバイパス手術を行います。治療する冠動脈が2本以上の場合はカテーテル治療ではなく、バイパス手術を行う方が治療として有効です。
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