冷え対策には下半身の集中保温
厚着がかえって体を冷やすことも
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
冷え対策には、体を冷やさないよう服装にも気を配る必要がある。寒いからといってただ厚着をするのではなく、温め方にも工夫が必要だ。また、使い捨てカイロなどの冷え対策グッズを上手に使うこともお勧め。効果的な防寒のポイントについて、冷え治療のエキスパートでもある東洋医学研究所附属クリニック(東京都渋谷区)自然医療部門担当の川嶋朗医師に聞いた。冷え性の第1回は「この体調不良は『冷えている』せい?」、第2回は「『色』で選ぼう、冷えを改善する食べ物」、第4回は「漢方薬は効く? 統合医療による冷え対策」で12月15日公開予定。

一般財団法人東洋医学研究所附属クリニック(東京都渋谷区)自然医療部門担当、東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 教授 医学博士
Q もともと私は寒がりなので冬は厚着をしてしまい、室外では丁度良くても、電車の中やお店などの室内では汗をかいてしまいます。そのためか常にかぜ気味で、厚着のせいで肩こりもひどくて、冬になると体調が優れません。体を上手に温めるコツを教えてください。(40歳・女性)
A
汗をかいてしまうほどの厚着は、かいた汗が気化するときに体から熱を奪ってしまうため、かえって体を冷やすことになりかねません。ただ漫然と厚着をすればよいとうものではないのです。体を温める服装のコツは、上半身よりも下半身を、より厚着にすることです。これを「上に薄く下に厚く」といいます。下半身は心臓から遠く、血の巡りが悪くなりやすいので冷えやすいところでもあります。腹巻やズボン下、タイツ、ストッキング、スパッツなどで調節するとよいでしょう。
ちなみに、冷え対策で防寒用タイツを選ぶ時は、フィット感の強いものではなくゆったりしたタイプを選びましょう。締め付けが強いと、かえって血行が悪くなり体を冷やしてしまう恐れがあります。
この記事の概要
