てんかんは薬と手術で改善できる
1年間の服薬で発作が治まらなければ手術を考慮
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
てんかん治療は薬物療法が基本。てんかんがあると社会生活を送るのは難しいと誤解されがちだが、医学の進歩により、大半は1~2剤の薬を服用することで完全に発作を抑えることが可能となった。薬で十分な効果が得られない場合でも、手術療法で改善が期待できる。てんかん治療に関する最新の考え方について、てんかんに詳しい東北大学病院てんかん科科長で教授の中里信和医師に聞いた。てんかんの第1回は「無意識のぼんやり、実は『てんかん』!?」。第3回は「運転はできる?会社に言うべき?『てんかん』との上手な付き合い方」で12月1日公開予定。

東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野 教授
Q 先日、仕事中に意識を失って倒れ、救急車で搬送された先の病院で「てんかん」と診断されました。てんかんは治療すれば治るのでしょうか。(46歳・男性)
A てんかんの基本治療は薬物療法です。薬で6割の人は発作が治まります。薬で発作が抑えられない場合は手術を行いますが、薬と手術で8割の人は発作が抑えられます。ほとんどの場合、薬は継続して服用することになりますが、薬を服用していても2年間発作がなければ運転免許は取得でき、普通の人と変わらない生活を送ることができます。残念ながら、残り2割の人は発作が抑えられにくい難治性のてんかんの可能性がありますが、できる限り不自由のない生活を送れるよう私の科ではサポートを行っています。