男性も注意! 飲酒、喫煙、高血糖は骨粗鬆症のリスク
生活習慣病と骨折との密接な関係が判明
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
骨粗鬆症は、骨がスカスカになってもろくなり、骨折の危険性が増す病気。急速な高齢化に伴って患者数が増えており、日本骨粗鬆症学会などが策定した「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」によると、日本における骨粗鬆症の患者数は現在1300万人と推定されている。骨粗鬆症の高齢者が転倒などで骨折し、そのまま寝たきりになるケースもある上、家族だけでなく医療従事者などの社会的負担も増大しており、早急に解決するべき大きな課題となっている。
骨はどうして弱くなるのか、骨粗鬆症の予防や対策について、骨粗鬆症に詳しい、原宿リハビリテーション病院(東京都渋谷区)名誉院長の林泰史医師に聞いた。骨粗鬆症の第2回は「骨の強さをどう測る?知っておきたい骨粗鬆症の検査」で11月17日公開、第3回は「骨粗鬆症の治療は『薬剤、食事、運動』が基本」で11月21日公開予定。

原宿リハビリテーション病院(東京都渋谷区)名誉院長
Q 私は子どもの頃から牛乳が嫌いで、今もほとんど飲みません。母が骨粗鬆症で治療をしているので、自分も骨粗鬆症になるのではと心配です。骨粗鬆症は遺伝しますか。どういう人がなりやすいのでしょうか。(42歳・女性)
A
骨密度は、子どもの頃から思春期までの間、つまり、10代にどれだけカルシウムを多くとって、運動したかで決まります。20歳前後で骨密度はピークに達するので、それまでにできる限り骨量を増やし強い骨にしておく必要があります。骨密度の遺伝率は40~80%といわれていて、遺伝的要素は小さくありません。
ご相談者は40代であり、骨粗鬆症は高齢者の病気と思われていますが、母親が骨粗鬆症でご自分も子供のときからあまりカルシウムをとってこなかったのであれば、骨粗鬆症になっているか、将来的になる可能性があります。骨密度を測って骨の状態をチェックすることをお勧めします。