歯周病を再発させないカギは「正しい歯磨き」と「定期健診」
定期的なメインテナンスが不可欠
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
歯肉の腫れも口臭も治まって、歯周病が治ったと思っても、歯周病は再発しやすいため、良い状態を維持するにはメインテナンスが欠かせない。自宅でのケアを怠らず、定期的に歯科医院で口の中をチェックし、クリーニングすることが大切だ。歯磨き(ブラッシング)の正しい方法や、歯科医師の選び方について、歯周病治療に詳しい東京医科歯科大学歯学部附属病院歯周病外来教授の和泉雄一医師に聞いた。歯周病の第1回は「歯周病は『歯を失う』だけでは済まない」、第2回は「歯を抜かずに治す、最新の歯周病治療」。

東京医科歯科大学歯学部附属病院 歯周病外来 教授
Q 歯医者さんには通院していませんが、軽度の歯周病です。歯磨きは普通の歯ブラシと電動歯ブラシのどちらを使うとよいでしょうか。電動歯ブラシで長時間ブラッシングすると、歯がすり減ったり、歯茎を傷つけることはありませんか。また、昼間など歯を磨けないときは、歯磨きガムでもよいですか。(40歳・女性)
A
歯磨き(ブラッシング)の一番の目的は、うがいでは取り除けないプラーク(歯垢)を歯ブラシでかき出すことです。最近では、電動歯ブラシを使用する人が増えてきました。性能が向上し、回転・振動速度が高速になっていますので、ブラッシング時間が短縮できます。手で磨く場合は1回10分ぐらい時間をかけるべきですが、電動歯ブラシであれば5分でOKです。歯の表面や歯茎を傷つけないようにするため、研磨剤入りの歯磨き剤は避けてください。
なお、「歯磨きガム」と呼ばれるような機能性ガムは、噛むことで細菌の増殖を抑える唾液を増やしますが、虫歯や歯周病を防ぐわけではありません。昼間に磨けないときは、朝か晩にしっかり磨きましょう。