女性の薄毛を治す先進治療法
レーザー治療から成長因子注入療法まで、選択肢広がる薄毛治療
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
女性の薄毛に対する治療手段が増えている。原則として自費診療となるが、レーザー治療、薬物療法、成長因子(グロースファクター)を用いる毛髪再生療法など、症状や重症度に合わせた様々な方法が開発されている。毛根にある毛母細胞がなくなると髪の再生は難しいので、治療を始めるタイミングが早ければ早いほど薄毛が改善する確率が高いという。女性の薄毛に対する先進的な治療法やその効果について、シロノクリニック(東京都渋谷区)院長の城野親徳医師に聞いた。女性の薄毛の第1回は「増える『女性の薄毛』、主因は栄養不足!?」、第3回は「自宅でできる効果的な薄毛改善策」で10月6日公開予定。

シロノクリニック総院長
Q 更年期を迎えてから、抜け毛がひどくなり、全体的に髪のボリュームもコシもなくなってきました。年齢的なもので仕方がないとは思っていますが、このまま髪の毛が抜け続けるのかと思うと不安です。治療法はありますか。今からでも間に合いますか。(51歳・女性)
A
女性は更年期を迎えると、女性ホルモンであるエストロゲンの血中濃度が低下します。エストロゲンには毛髪の成長を促す作用があるため、更年期以降は、1つの毛穴から出る毛髪の本数が減り、髪自体も細くなっていきます。毛髪治療を始めるのであれば、毛根のダメージが小さいうちに治療を開始したほうがよいでしょう。
症状にもよりますが、薄毛の治療では、およそ3カ月で8割ぐらいの人はある程度の効果を実感できます。毛根のダメージが小さければ、血流を促進するレーザー治療で頭皮環境を良くして抜け毛を減らし、内服薬で育毛を促すことで、薄毛を改善することができます。中等度であれば外用薬や点滴を追加し、重度の場合は毛髪関連の成長因子(グロースファクタ―)を直接頭皮に注入する毛髪再生療法を行います。通常、3カ月ぐらいで効果が表れます。