増える「女性の薄毛」、主因は栄養不足!?
男性とは異なり、頭髪全体が薄くなる「びまん性脱毛症」が大半
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
薄毛に悩む女性が増えている。女性の社会進出が進み、男性並みに仕事をする女性が増えたことにより、ストレスや不規則な生活、過度のダイエット、ホルモンバランスの乱れなどを通じて毛母細胞が栄養不足に陥ることが主な原因だ。女性の場合、頭頂部や生え際が集中的に脱毛する「男性型脱毛」とは異なり、髪の毛全体が薄くなり、ボリュームがなくなる「びまん性脱毛症」が大半を占めているという。女性の薄毛治療に詳しいシロノクリニック(東京都渋谷区)院長の城野親徳医師に、女性の頭髪事情について聞いた。女性の薄毛の第2回は「女性の薄毛を治す先進治療法」で10月3日公開、第3回は「自宅でできる効果的な薄毛改善策」で10月6日公開予定。

シロノクリニック総院長
Q ダイエットで体重を落としてから、月経が不規則になり、髪がよく抜けるようになりました。髪にコシやハリもなくなり、全体的にペタンとして、フケもでます。ダイエットが原因でしょうか。髪の状態は元に戻りますか。(40歳・女性)
A
髪は、ある一定の周期で、生えたり抜けたりを繰り返します。この周期を「ヘアサイクル」といいます。ヘアサイクルがきちんと守られることで、髪の総数は常に一定に保たれています。しかし、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると、薄毛などのトラブルにつながります。ご相談者の場合、過度なダイエットをしたことで、髪を発生させる毛母(もうぼ)細胞に栄養が行き渡らなくなってヘアサイクルが乱れ、脱け毛や発毛不良を招いたのです。
頭皮の血行不良によっても、毛母細胞に栄養が十分に行き渡らなくなります。そのため、血行不良を引き起こすストレス、睡眠不足、喫煙なども、抜け毛などの原因になります。また、様々な理由で頭皮に炎症が起こると、毛母細胞が弱り、毛が細くなります。体に蓄積した微量の有害なミネラル(金属)が、脱毛の原因となることもあります。
女性の薄毛が遺伝するかどうかは、まだはっきり解明されておらず、男性より遺伝の影響は少ないようです。従って、薄毛に気づいたら早めに対策すれば、改善する可能性は高いです。