知っておきたい外反母趾の治し方
まずは専門外来に相談を、インソールのオーダーメードも役立つ
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
外反母趾の治療には、大きく分けると手術を行わない保存療法と、外科的治療である手術療法がある。症状によっては必ず手術が必要な場合もあるが、足に合う靴に替えたり、足に合わせたインソール(靴の中敷き)を使うことで改善できることも。「足の外科外来」などの専門外来で、重症度などを評価してもらうことが有用だ。外反母趾の治療法とセルフケアについて、東京女子医科大学整形外科客員教授の野口昌彦医師に聞いた。外反母趾の第1回は「外反母趾は本当にハイヒールが原因か」、第2回は「外反母趾を悪化させない靴選びのポイント」。

東京女子医科大学 整形外科 客員教授
Q 外反母趾がひどくなったので、薬局で外反母趾の矯正用の装具を購入して、夜間に付けています。こうした装具には効果があるのでしょうか。病院には通っていないのですが、装具を付けていても治らなければ、手術をするしかないのでしょうか。(52歳・女性)
A 自己判断で装具を装着するのではなく、まずは足の骨がどのような状態になっているのか、専門の病院を受診してレントゲンで確認した方がよいでしょう。手術を受けるかどうかは患者さんの判断ですが、足の変形を矯正する保存療法を行っても、痛くて靴が履けなかったり、歩けなかったりする場合もあります。手術を必ず受けなければいけないのは、足の変形がひどくなって足指の関節が脱臼してしまったときや、第2趾の付け根の関節が曲がったまま戻らない「ハンマートゥ」の状態になったりしたときです。脱臼期間が長くなると、手術をしても完全に元には戻らないこともあります。
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