まずは禁煙!加齢黄斑変性の予防法
避けられない「目の老化」への対処法
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
高齢化社会を迎え、医療技術の恩恵を受けて平均寿命は伸び続け、同時に健康な状態を維持しなければならないというタスクも課せられている。目もまた然り。眼鏡でフォローできる「老眼」だけでなく、日常生活に大きな支障となる視力低下も待ち受けている。「加齢黄斑変性」の危険因子が少しずつ分かってきている今、加齢黄斑変性を予防し、進行させないために何ができるのか、日本大学病院アイセンター長の島田宏之医師に聞いた。加齢黄斑変性の第1回は「急激な視力低下を招く『加齢黄斑変性』」、第2回は「網膜を傷つける異常な血管を叩く『抗VEGF療法』」。

日本大学病院アイセンター長・教授
Q 健康で視力の良かった82歳の父親が、初期の「加齢黄斑変性」と診断され、治療を始めました。今後、どんなことに気を付ければよいですか。この病気は遺伝するのでしょうか。日々の生活で予防できることはありますか。(52歳・男性)
A 近年、日本の研究グループ(*1)が、滲出型加齢黄斑変性の発症と関係がある遺伝子を発見したと報告し、注目されています。この遺伝子を持つ人はそうでない人と比べ、発症リスクが1.4倍とのこと。発症に遺伝が関係しているかどうか、現時点で明確な答えは出ていませんが、注意するに越したことはありません。また、禁煙、食生活の改善、運動などの生活習慣病対策は、加齢黄斑変性の予防にもつながります。
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