気になる飛蚊症をなんとかしたい!
予防や治療、最新治療の効果は?
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
飛蚊症の95%は、老化現象として生じる「生理的飛蚊症」。失明などにつながる危険性はないとはいっても、どうしても気になって精神状態が不安定になったり、視覚がさえぎられて生活に支障が出てくることもある。生理的飛蚊症を予防したり、改善する方法はないのか、西葛西・井上眼科病院(東京都江戸川区)院長の井上順治医師に聞いた。飛蚊症の第1回は「『危険な飛蚊症』の見分け方」、第2回は「すぐに治療を!飛蚊症の裏に潜む『網膜裂孔・剥離』」。

西葛西・井上眼科病院(東京都江戸川区) 院長
Q 飛蚊症で病院を受診し、検査を受けましたが、「病気によるものではなく、生理的なものなので心配することはない」と言われました。ただ、視界にいつも糸くずのようなものが映っていて、眼を動かすと一緒に動くのが気になり、イライラします。以前に比べて、数も増えてきました。改善するための治療法はないのでしょうか。(55歳・女性)
A 網膜裂孔や網膜剥離がなく、病気が原因ではない「生理的な飛蚊症」については、現時点では安全性が高く有効な治療法はないので、ほとんどの場合は経過観察となります。発症から時間が経つにつれ、気にならなくなる人も多いようです。手術で硝子体を取り除く硝子体手術を行えば、飛蚊症を完全に起こさなくすることができますが、この手術は大きなリスクを伴うため、飛蚊症に対しては積極的には行われていません。食生活の改善や紫外線に当たらないようにするなど、身近な心掛けで、症状が改善したという人もいます。