衝撃波や内視鏡で尿路結石を外科的に治す
ESWL、TUL、PNLのメリット・デメリットは?
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
結石が大きく、尿と一緒に自然に排石されない場合や痛みをコントロールできないときは、外科的な治療を行う。1980年以降、開腹せずに結石を除去できる技術が進歩したことで、体への負担が大幅に軽減し、治療の選択肢も広がった。外科的治療には現在、開腹手術を含め大きく4つの方法があり、石の大きさや場所、治療する期間、社会的な事情や立場によって治療方法を選択する。開腹手術を除いた3つの治療法のメリット・デメリットや選び方について、杏林大学医学部付属病院泌尿器科教授の奴田原(ぬたはら)紀久雄医師に聞いた。尿路結石の第1回は「自覚症状のない尿路結石にどう対処するか」、第3回は「生活改善と薬物療法で尿路結石の再発を防ぐ」で9月1日公開予定。

杏林大学医学部付属病院 泌尿器科 教授
Q 腎結石が10mmと大きくなり、時々背中に痛みも伴うため、医師から外科的な治療を勧められています。会社が忙しくてあまり休みがとれないのですが、日帰りでも治療できますか。(50歳・男性)
A 結石が1cm以上の大きさで自然排石が困難であったり、結石によって尿の流れがスムーズにいかない(尿路閉塞が生じた)場合、外科的治療を行います。現在、主流になっているのは、体の外から衝撃波を当てて結石を砕く「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」という方法です。衝撃波によって細かく砕かれた結石は、尿と一緒に自然排石されます。外来で、無麻酔で行うことが多いです。1回の治療時間は1時間前後です。ESWLは、結石の硬さや大きさによっては1回で治療が完遂できないこともあり、治療回数が数回になる場合もあります。
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