原因不明の胃の不調「機能性ディスペプシア」とは
つらい胃もたれ、みぞおちの痛みの診療が変わる
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
運動異常や知覚過敏など、胃や十二指腸の機能の不具合に着目
「機能性ディスペプシア」とは聞き慣れない病名ですが、どのような病気ですか。
機能性ディスペプシア(FD)とは、目に見える異常は見つからないけれど、胃もたれや胃痛などの症状が表れる、慢性的な胃の病気です。少し前までは、消化管の病気は潰瘍や腫瘍が発見されなければ、たとえ症状があっても病気として認識されにくい傾向にありました。つまり、検査で異常がないと、「消化不良です。そのうち治ると思いますがとりあえず胃薬を出しておきます」という診療だったのです。