実は難しい「むずむず脚症候群」専門医選び
診断・治療は「睡眠の専門医」で
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
むずむず脚症候群の症状は多岐にわたり、正しく診断するためには、医師にも知識や経験が不可欠だ。現在、むずむず脚症候群を診療できる医師は少なく、医療機関も限られる。不快な症状は薬でほぼ完全に抑えることができるので、正確な診断に基づいた適切な治療を受けるためにも、専門医を探すことがとても重要だ。睡眠障害全般を専門とする東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長の伊藤洋医師に、むずむず脚症候群の診断法や受診先選びのポイントについて聞いた。むずむず脚症候群の第1回は「じっとしていられない『むずむず脚症候群』とは」、第3回は「つらい『むずむず脚』の9割は薬で治る」で7月28日公開予定。

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長 精神神経科
Q 脚がむずむずして違和感があり、調べたところ、むずむず脚症候群ではないかと思っています。むずむず脚症候群の場合、まず鉄不足が原因と聞きました。もともと貧血症なので、鉄分を多めにとるなど、食生活に気を付ければ治せるのでしょうか。(48歳・女性)
A むずむず脚症候群は、鉄不足が原因の場合、食生活の改善などのセルフケアによって症状の回復が見込めることがあります。一方で、鉄分の補充をしても改善しないことがあり、治療しないで放っておくと悪化する可能性があります。脚の不快感に他の病気が関係していることもあるので、病院できちんと診断してもらった上で、治療を受けることをお勧めします。