神経痛の薬、効果は?副作用は?
治療薬の選択肢が広がり、7割の人に効果が
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
神経痛(神経障害性疼痛)の治療の基本は薬物療法。神経障害性疼痛には一般的な鎮痛薬が効かず、これまでは有効な薬が少なかったが、2010年に神経障害性疼痛の痛みを全般的に取り除く有効な新薬が発売されたことで、治療の流れが大きく変わった。ただ、効果はあっても副作用のため使い続けられない場合や、他の病気の治療薬と併用できない場合もあるため、使用に当たっては注意が必要だ。神経障害性疼痛の薬物療法について、東京慈恵会医科大学附属病院ペインクリニック診療部長の北原雅樹医師に聞いた。神経痛の第1回は「その痛み、本当に神経痛?」、第3回は「長引く痛みの克服につながる、ペインクリニックでの治療」で7月14日公開予定。

東京慈恵会医科大学附属病院 ペインクリニック診療部長
Q 神経痛の治療のため、医師からリリカ(*1)を処方され、3日前から75mgを1日2回服用し始めました。「眠くなる副作用がある」と聞いてはいましたが、日中かなり眠気が強く、ふらつくこともあります。その割に、痛みは治まっているとも思えません。このまま服用を続けてもいいのか不安です。(65歳・男性)
A
リリカは神経障害性疼痛に対してとても効果の高い治療薬ですが、副作用として、眠気、めまい、ふらつきが多く見られます。開始初期には、特に高齢者では副作用が出やすいため、少なめの量から開始して徐々に増量する必要があります。最初は25mgを1日1回から始め、眠気などの副作用に慣れてきたら、数日ごとに、1回25mg1日2回、50mg1日2回、75mg1日2回、と徐々に増量していきます。一般には1回150mg1日2回まで、最大量は1日600mgまでです。
リリカの場合、最初の処方量が多過ぎて、副作用に驚いてそのまま薬を止めてしまう患者さんもたくさんいます。もっと少ない量から始めて、少しずつ増やしていくほうが体になじんで無理なく続けられます。副作用が強く出る場合は、勝手に服用を中止することなく医師に相談してください。
この記事の概要
