熱中症対策に必携!「経口補水液」で脱水からスピード回復
塩分とブドウ糖の働きにより小腸経由で水分を補給
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
経口補水液で失った体液を補充
経口補水液とは何ですか。
経口補水液は、口から水分と塩分を補うことができる、蘇生のための飲み物です。元々は開発途上国で点滴ができずに脱水症になってしまう子どもたちを救う目的で開発されたもので、国連児童基金(ユニセフ)や世界保健機関(WHO)で推奨されています。日本では病院ですぐ点滴ができるので必要がなかったのですが、現在は、水の吸収に腸が使えるなら腸を使った方が生理的で、かつ点滴より経口補水液の方が低価格と言うこともあり、点滴を安易にやらない傾向にあります。また、点滴は医療従事者や施設がないとできないこともあり、経口補水液を点滴の代わりに使用するという考え方が10年ぐらい前から少しずつ広がってきました。発汗のため体液を失う熱中症やインフルエンザ、下痢のため体液を失うノロウイルス感染症による脱水症には、劇的な効果を表します。最近では救命救急センターの自動販売機に経口補水液を置いている病院も増え、診察を待っている間に飲んで脱水症が治ってしまうこともあります。