汗のにおいを抑えるセルフケア
ハンドメイド制汗剤は安全で経済的
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
アポクリン腺やエクリン腺から分泌される汗は本来無臭。これが皮膚表面で細菌による分解や酸化を受けることで、においを発生させる。市販のデオドラント製品には、においを防ぐ消臭剤(デオドラント剤)に抗菌薬や制汗剤が配合されていることが多く、わきや足以外には使用できない。自分でできるにおいのケアやデオドラント製品の選び方などについて、五味クリニック(東京都新宿区)院長の五味常明医師に聞いた。ワキガ・多汗症の第1回は「汗かき体質は治せる!?『異常な汗』への対処法」、第2回は「ワキガの強さは耳あかで分かる」、第3回は「手術でワキガ臭を完全に消す」。

五味クリニック(東京都新宿区)院長
Q 汗かきなので、汗のにおいが気になります。市販のデオドラント製品を使っていますが、皮膚が弱いので、時々かゆくなることがあります。デオドラント製品を選ぶときに、注意することは何でしょうか。(45歳・男性)
A
汗のにおいなどの体臭を抑えるデオドラント製品は、においを抑えるデオドラント剤(消臭剤)と汗を抑える制汗剤に大別され、両方の効果を持つものは制汗消臭剤と呼ばれます。汗や汗臭さの対策なら、塩化アルミニウムなど、制汗効果の高い成分を含む製品を選ぶとよいでしょう。
制汗剤を使う際の注意点としては、原則としてわきと足のみに使用し、体全体に塗らないようにしましょう。制汗剤を体全体に塗布すると、発汗による体温調節機構が働かなくなり、熱中症のリスクが高まります。
なお、制汗剤などを長期に使用すると、湿疹やかぶれ、色素沈着などの原因になることがあるので注意しましょう。また、消臭剤には、雑菌の繁殖を抑える抗菌薬が配合されていることが多く、長期間使用すると正常な常在菌のバランスが崩れる可能性があります。安全な制汗消臭剤は、ミョウバン(*1)や重曹などを使って自分で作れます。