もしかして認知症?と思ったら専門機関へ
医療機関の専門外来や認知症の専門病院で確実な診断を
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
物忘れが激しい、話すことがおかしい─。自分や家族が「もしかして認知症?」と思ったときには、認知症かどうかを正確に診断できる医療機関を受診することが大切だ。認知症と類似した疾患は多く、他の病気の症状として認知機能の低下が出ているケースも少なくない。そのため、診断には医師の知識と経験に基づいたスキルが求められる。医療機関で行われている認知症の検査法や専門医の探し方などについて、認知症専門病院である和光病院(埼玉県和光市)院長の今井幸充医師に聞いた。認知症の第1回は「認知症対策は『予備軍』の段階から」、第3回は「認知症の介護に悩んだら『介護のプロ』に相談を」で6月7日公開予定。

和光病院(埼玉県和光市)院長
Q 最近、80歳の母の物忘れがひどくなり、言動も少しおかしくなっています。認知症かもしれないと心配なのですが、専門的な検査をしてもらうには何科を受診すればよいのでしょうか。(55歳・女性)
A
認知症の診療に関わる診療科は、精神科、神経内科、脳神経外科です。特に精神科では、老年精神医学を専門としている医師が診療に当たります。認知症の診断においては、物忘れなどの症状が認知症から来ているのか、他の病気が原因なのかを、患者さんの症状をみながら注意深く診察していきます。画像診断も行いますが、画像はあくまでも参考とするだけであり、症状や既往症、診断ツールを使用して他の病気との鑑別を行います。
認知症かそうではないかを見分けるには、知識と経験に基づいたスキルが必要とされます。かかりつけの医師に相談し、認知症の専門病院か専門医を紹介してもらってください。認知症の専門医が担当する「物忘れ外来」「認知症外来」などの専門外来を受診するのもよいでしょう。