眼圧検査だけでは不十分!40歳になったら「眼底検査」を
最新の眼底3次元検査で視神経の障害を早期発見
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
緑内障を診断するための条件は、以前は「眼圧が高い」「視野が欠けている」「視神経に障害が出ている」の3つと言われていたが、眼圧が正常でも緑内障になるケースが多いことが分かり、高眼圧は必須条件ではなくなっている。眼圧が正常だからと安心せず、緑内障が増え始める40歳を過ぎたら、眼底検査や視野検査など、緑内障の早期発見に大切な検査を定期的に受けるようにしたい。緑内障の診断や、経過の観察に必要な検査について、四谷しらと眼科(東京都新宿区)院長の白土城照医師に聞いた。緑内障の第1回は「気付かぬうちに視野を失う『隠れ緑内障』に要注意」、第3回は「緑内障の2タイプ、『閉塞型』と『開放型』」で4月26日公開予定。

四谷しらと眼科(東京都新宿区)院長
Q 人間ドックで「緑内障の疑いあり」という結果が出ました。眼科で精密検査を受けるよう勧められましたが、インターネットで見つけた「視野のセルフチェック」を行ったところ、見えにくいところはありませんでした。眼科でも同じような検査をするのであれば、別に受診しなくてもよいのではと思っていますが、眼科ではどのような検査が行われるのでしょうか。(40歳・男性)
A 緑内障の初期では、視神経に異常があっても、視野検査では異常が見られないこともあります。緑内障が疑われる人に対し、眼科では、視野検査のほかに、眼圧検査、隅角(ぐうかく)検査(*1)、眼底検査を行います。日本人は眼圧が正常な緑内障が多いので、眼圧検査だけでは緑内障を見付けられません。早期発見のために特に重要なのは、眼底検査です。眼底検査で視神経の状態を観察することが欠かせません。この検査には医師の経験と技量が必要です。さらに最近では、眼底検査で網膜の神経線維の厚みなどが測れるOCT(光干渉断層計)という機器を導入している医療機関も増えてきましたので、より的確な診断ができるようになりました。