EDは危険な病気の前触れ!?
ペニスは動脈硬化の症状が最初に現れる部位、糖尿病も要注意
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
勃起障害(ED)の原因で一番多いのが加齢によるもの。40代を過ぎると、性に関して陰りを感じる人も多くなる。年をとると男性ホルモンの分泌量が低下するだけでなく、様々な原因でペニスの動脈の血流が低下することがある。ED自体には生命の危険性はないが、脳卒中や心筋梗塞など、恐ろしい病気の前兆としてEDが表れるケースもある。肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病、肝臓病などの生活習慣病とEDがどのように関係しているのか、ED治療に詳しいまるも腎・泌尿器科クリニック(東京都大田区)院長の丸茂健医師に聞いた。EDの第1回は「ゆらぐ性生活、40代男性の10人に1人がED」、第3回は「3種類のED治療薬、違いは持続時間と即効性」で4月19日公開予定。

まるも腎・泌尿器科クリニック(東京都大田区)院長
Q ストレスが溜まっていたり、体調が悪いわけでもないのですが、2年ぐらい前からEDになりました。まだ40代、年のせいと考えるには早すぎる気がします。実は、父親が52歳の時、心筋梗塞を起こしています。EDの発症が、大きな病気に関係していないか心配です。(48歳・男性)
A 勃起は、動脈から陰茎(ペニス)に血液が送られることで起こります。体のすみずみまで血液を運ぶ動脈が硬く狭くなってしまう「動脈硬化」になると、ペニスに十分な血液が運ばれなくなります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性があります。勃起障害(ED)が、動脈硬化の警告症状になっている可能性があるわけです。ご相談者の場合、遺伝的な体質を引き継いでいる可能性もありますので、動脈硬化が進行していないかどうか、医療機関の循環器内科で検査することをお勧めします。
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