ゆらぐ性生活、40代男性の10人に1人がED
「妻とはできない」心因性EDにどう対処する?
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
国内の勃起障害(ED)の患者数は約1130万人。40代の男性では10人に1人、60代では実に4割の人がEDであると推定されている。EDは、命に危険を及ぼす状態ではないため、セックスが必要のない人にとっては病気とはいえない。ただ、妊娠を希望している夫婦や、性生活が夫婦の大切な絆の証であったり重要なコミュニケーション手段である場合は、離婚にもつながるとても深刻な問題である。勃起を来す体の仕組みに異常はなく、心の問題で起こる心因性のEDについて、ED治療に詳しいまるも腎・泌尿器科クリニック(東京都大田区)院長の丸茂健医師に聞いた。EDの第2回は「EDは危険な病気の前触れ!?」で4月17日公開、第3回は「3種類のED治療薬、違いは持続時間と即効性」で4月19日公開予定。

まるも腎・泌尿器科クリニック(東京都大田区)院長
Q 結婚して3年になりますが、妻とのセックスがうまくできません。性欲は普通にあり、マスターベーションはできるのですが、挿入してもすぐに萎えてしまいます。妻の年齢的なこともあり、そろそろ子どもが欲しいのですが、気持ちばかりが焦ってしまいます。どうしたらよいでしょうか。(38歳・男性)
A 社会的なストレス、プレッシャー、失業や転居などの環境の変化、一度うまくいかなかったことによる自信喪失、過去のトラウマなど、精神的な原因で勃起障害(ED)になることがあります。妊娠を希望する夫婦では、妻の排卵日に性交渉を強制されるというプレッシャーで夫がEDになることもあります。こうした心因性のEDの場合、気持ちが安定したり、環境を変えることで自然に回復するケースは多いのですが、薬を使って自信を付けることが早期改善への近道となります。排卵日のプレッシャーも、「いざとなったら、人工授精という方法がある」と考えれば、気が楽になると思います。