過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛を伴う排便障害を特徴とする疾患。排便障害として女性は便秘、男性は下痢を起こすことが多く、発症にはストレスの影響が大きいとされる。人口の10~15%に生じ、消化器内科受診者の約3割を占めるほど身近な不調の一つでありながら、社会生活に支障を来すほどの深刻なケースもある。原因別に3つのタイプに分かれるため、確実に治療するためには、自分のタイプを知ってそれに応じた治療やケアを行うことが重要だ。国立病院機構久里浜医療センターでIBS・便秘外来を担当する内視鏡センター部長の水上健医師に、IBSの病態や原因別の対処法に加え、「ねじれ腸」「落下腸」など腸の形態異常がある場合に有効なマッサージ法についても解説してもらった。