「ねじれ腸」「落下腸」による便秘に効くマッサージ
日本人に多い腸管形態異常、腹痛を伴う便秘を解消するマッサージ法とは
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
日本人の場合、過敏性腸症候群がある人では、腸の形に問題がある「腸管形態異常」を抱えていることが多いという。便通を妨げる、「ねじれ腸」「落下腸」とは何か。日本人の腸に起こっている異常事態を発見し、マッサージによる改善法を提唱している、国立病院機構久里浜医療センターIBS・便秘外来の水上健医師に聞いた。過敏性腸症候群の第1回は「便秘も下痢も引き起こす『過敏性腸症候群』とは」、第2回は「ストレス性?腸の変形? 過敏性腸症候群の原因別治療法」。

独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 内視鏡センター長
Q 10年前から、下痢と便秘を繰り返しています。いつもお腹が張っている感じがして、腹痛を伴います。病院で薬を処方してもらったことがありますが、あまり効果がありませんでした。ストレスのない生活を心がけ、適度な運動や食生活にも気を使っていますが、一向に改善しません。何かよい方法はありますか。(45歳・女性)
A 医療機関では、過敏性腸症候群をストレス関連性疾患ととらえて、ストレスで放出されて腸の動きを強めるセロトニン関係の薬やメンタルの薬を出されることがほとんどです。ご相談者のように処方薬が効かない方では、ストレス以外に原因がある可能性があります。腹痛を伴う便秘という症状からは、「ねじれ腸」による便通異常が疑われます。「ねじれ腸」が原因となる便通異常は、腸管の形態に合わせたマッサージやエクササイズを行うことで改善できます。