骨盤底筋を鍛えて過活動膀胱とうまく付き合う
「骨盤底筋を締める」イメージをつかんで毎日継続
稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
過活動膀胱の治療は薬物療法が中心ではあるが、骨盤底筋体操や膀胱トレーニングなどの行動療法にも併せて取り組むことで、症状を軽くする効果もあるという。その他、日常生活で気を付けることや、薬物療法で十分に効果が得られない場合に行う治療法について、過活動膀胱に詳しい東京大学医学部泌尿器科教授の本間之夫医師に聞いた。過活動膀胱の第1回は「1000万人が悩んでいる排尿トラブル『過活動膀胱』」、第2回は「過活動膀胱を即効で治すなら薬物療法」。

東京大学医学部 泌尿器科教授
Q 過活動膀胱のため、3年ほど薬を飲んでいます。少しずつ良くなってきているので、薬の頻度や量を減らしていきたいと思っていますが、トイレが間に合わず漏らしてしまうことがあるので不安です。骨盤底筋(こつばんていきん)を鍛えればよいと聞いたことがありますが、効果はありますか。(58歳・女性)
A 骨盤底筋は子宮や膀胱を支えている筋肉で、尿道を締める働きもしています。骨盤底筋体操はこれを鍛える体操で、女性の場合は膣、男性の場合はペニスの付け根を、肛門と一緒に締めたりします。続けることで尿を我慢できるようになります。ただし、ある程度の期間続けることが必要です。