前立腺がんが「男性で最も多いがん」に
急増の背景に社会の高齢化と検査の普及
聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト
前立腺がんの発症には様々な要因が重なり合っている
前立腺がんはなぜ増えているのでしょうか。
前立腺がんが急増している背景には様々な要因が重なり合っていて、実は理由がはっきりと分かっているわけではありません。前立腺がんは年齢の高い人に多く、発病には「老化」が大きく関与していると言われています。前立腺がんと診断される人が日本で増えているのは、社会全体の高齢化が進んだことが一因です。また、前立腺がんを発見するための「PSA検査(※1)」が普及したことで、早期発見が可能になっただけでなく、生存中に発症しないであろう進行の遅いがん(潜伏がん)が発見されやすくなったのも理由の一つだと思われます。