ホップ
ほっぷ、hops
学名Humulus lupulus。セイヨウカラハナソウともいう。ソウアサ科に属する蔓(つる)性の多年草。ビールの原料として有名だが、古くから薬草として用いられてきたハーブでもある。原産地はコーカサス地方といわれ、12世紀ごろから雌花の集まりの毯果(きゅうか:花に似たかたまり)がビールの醸造に利用されるようになった。ビール独特の苦みや香りのもととなる原料だ。中世ヨーロッパでまとめられたハーブ辞典には鎮静作用や育毛作用などの薬効に関する記述があるほか、北アメリカ先住民族では薬草として伝統的に茶や湿布薬などが利用されてきた。イライラ、不安、不眠に対する効果があり、鎮静薬などに使用されるほか、健胃・食欲増進作用から胃腸薬などに用いられる。また、糖尿病改善や血中脂質の代謝改善、高血圧の改善、肥満抑制、動脈硬化予防など生活習慣病の対策に役立つ作用が動物試験で確認されている。また、ホップから抽出したフラボノールの花粉症予防効果、ホップ・ポリフェノールの研究も行われている。