プロピオン酸
ぷろぴおんさん、propionic acid
大腸内の腸内細菌が、食物繊維やレジスタントスターチといった難消化性の食品成分を代謝した際に産生される短鎖脂肪酸の一種。腸内のpHを下げ、酸性にすることで、病原菌の増殖を抑えるほか、カルシウムなどの吸収を促進する。大腸から吸収され、肝臓で糖に変わり、体のエネルギー源になる。また、肝臓で脂肪の合成を抑制するという研究報告もある。中国の酒茅台(まおたい)酒など、穀物を発酵させて作った食品などにも微量に含まれるが、こうした食品を常識的な量で摂取して得られるプロピオン酸の量は、前述の健康効果を発揮するほどではないとされる。食品添加物としては、保存料や着香料として使われる。