小青竜湯
しょうせいりゅうとう
麻黄(まおう=エフェドラ)、桂枝(けいし)、半夏(はんげ)、甘草(かんぞう)、ショウガなど、8種類の生薬から成る漢方薬。日本では、桂枝のかわりに肉桂(にっけい=シナモン)を使うことが多い。カゼによる鼻水や花粉症、喘息(ぜんそく)の薬として用いられることが多く、呼吸器を温めながら、痰(たん)や咳(せき)を鎮める作用があるため、薄い水様の鼻水や痰がひどいときに用いる。漢方では、カゼなどの感染症やアレルギー性鼻炎を、寒けの症状が強い「風寒(ふうかん)」、のどの痛みや腫れなど炎症が強い「風熱(ふうねつ)」、下痢や吐き気など胃腸系の症状が現れる「風湿(ふうしつ)」、空咳(からぜき)やのどの乾燥など、乾燥による症状が強い「風燥(ふうそう)」に分けており、それぞれ用いる薬が異なる。小青竜湯は「風寒」向きの薬で、花粉症やカゼによる症状でも、目の充血や炎症が強かったり、粘り気が強く、黄色い鼻水や痰が出るような「風熱」にあたる症状がある場合には用いない。発汗作用の強い麻黄を含み、長期間にわたって服用すると、汗をかき過ぎて抵抗力が低下したり、効果が得られなくなる場合があるため、花粉症に用いる際にも、短期間の服用にとどめたほうがよい。