酢酸
さくさん、acetic acid/ethanotic acid
酸味と刺激臭を持つ食酢の主成分。市販の食酢には、4~5%の酢酸を含むものが多い。食酢には、高血圧、脂質代謝異常、高血糖を改善する作用がヒト試験で確認されているが、これらの効果の源となる成分が酢酸だ。酢酸を含む飲料が「血圧が高めの方に適する」という内容のトクホ(特定保健用食品)の表示許可を取得している。短鎖脂肪酸の一つで、大腸内を酸性に傾けて善玉菌が増えやすい環境を作るほか、大腸の腸壁から体内に吸収され、主に肝臓や筋肉組織でエネルギー源になる。ヒトの体内で作られる場合は、大腸内の腸内細菌が食物繊維やレジスタントスターチといった難消化性の食品成分を代謝した際に産生される。