桂枝茯苓丸
けいしぶくりょうがん
婦人科で用いられることが多い漢方薬の一つ。桂枝(けいし)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桃仁(とうにん)、赤芍(せきしゃく)という5種類の漢方薬から成り立っている。日本では桂枝のかわりに肉桂(にっけい=シナモン)を使うことが多い。骨盤内の血のめぐりを良くする作用があり、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)、月経痛といった、血液が滞った状態などの「瘀血(おけつ)」による婦人科系の症状によく用いられる。血をめぐらせる力は強いが、「血」を補う作用はないので、貧血など「血」の不足による症状が現れている場合には、「血」を補う漢方薬と併用する必要がある。なお、妊娠中は用いるべきではない。