藿香正気散
かっこうしょうきさん
藿香(かっこう)という独特の香りを持つ生薬に、紫蘇(しそ=シソ)、茯苓(ぶくりょう)、陳皮(ちんぴ)、甘草(かんぞう)など11種類の生薬を加えた漢方薬。下痢や吐き気を伴うカゼに用いる。漢方では、カゼなどの感染症を、寒けの症状が強い「風寒(ふうかん)」、のどの痛みや腫れなどの炎症が強い「風熱(ふうねつ)」、下痢や吐き気など胃腸系の症状が現れる「風湿(ふうしつ)」、空咳(からぜき)やのどの乾燥など、乾燥による症状が強い「風燥(ふうそう)」に分けており、それぞれ用いる薬が異なる。藿香正気散は「風湿」に向く漢方薬。カゼばかりではなく、冷たいものや生ものを食べ過ぎたときや、梅雨時の胃腸の不快症状にも用いられる。