噂その7 長年飲み続けるとお酒に強くなる
答え 半分ホント
前回紹介したように、お酒の強さは、体の中でアルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドを代謝する能力の高さ(活性型、低活性型、非活性型)によって決まる。活性型の人は飲んでもすぐに赤くなることはなく、非活性型の人はほとんどお酒を飲めない。
このうち、低活性型の人は、お酒を飲んでいるうちに、だんだんと酒量を上げても酔いにくくなってくる。つまり、「トレーニングで強くなる」わけだ。これは、飲酒を続けるうちに、肝臓でのアルコールの代謝速度が速くなっていくのが一つの理由だが、それに加え、脳のアルコールに対する反応のしやすさが変化することも影響している。つまり、脳の神経がアルコールに順応し、アルコールの酔いに対する耐性が上がるのである。
こうしたアルコールに対する反応のしやすさは、アセトアルデヒドを分解する酵素以外の遺伝的な影響も大きいとされている。活性型の人(顔が赤くならない)でも、すぐに酔ってしまう人がいる一方、赤ら顔なのに大量に飲んでもケロッとしている人がいるのはこのためだ。
なお、アルコールに反応しにくく、若い頃から酒に強い人は、逆にアルコール依存症のリスクが高いといわれているので注意が必要だ。
三菱UFJニコス統括産業医

医師、ファルメディコ代表取締役社長
