情報で食べるダイエットは必ず破綻する
体は、カロリーだけで成り立つわけではない。そのときの体調や活動内容に応じて、必要な栄養も変わってくる。そして求める成分を食べることで、体の中の代謝が健全に営まれる。その結果として、引き締まった健康な体が実現されるのだ。
「体の欲求を無視して、情報で食べるダイエットは必ず破綻します。どこかに無理が生じて体調が悪くなるか、欲求が抑えきれなくなってどか食いに走るかです」
そこで伊達さんは、こういう人には「何でもいいから、とにかく食べたいものを食べなさい」と伝えるという。「最初は、我慢の反動からジャンクフードに走る人もいますが、それでOK。しばらくすれば自然に、“ご飯が食べたい”、“魚が食べたい”などと感じるようになります。
そうやって本能的な「食べたい」という感覚を取り戻した上で、次は「おいしさ」をじっくりと味わうようにする。おいしいと感じているうちは食べ続けてもOKだが、おいしさが薄れてきたら、それで適量と判断し、それ以上食べずに、残す。そんな練習を積み重ねるうちに、「食べたいものを適量食べる」という感覚が、徐々に身に付くのだという。
甘いものは心の栄養。遠慮せず、心から味わおう
そういう意味では、「“誘惑に負けてつい食べちゃうんです”という言い訳が出てくるのは、むしろ健全な証拠です」と伊達さんはいう。
「例えば、どうしても甘いものが食べたいときもあるでしょう。そういうときは我慢せず、食べる方がいい。これは“心の栄養”なんです」
私たちはダイエットというと、ついカロリーや脂肪分など、数値的なもので食べ物を捉えがち。でも、食べることは幸せを味わう行為でもある。甘みをしっかり味わって「あ~幸せ~」と実感する瞬間を、心が求めるときだってあるのだ。そんな欲求は、きちんと満たしてあげた方がいい。
「中途半端な罪悪感を引きずるからよくないのです。遠慮せず、大好きなケーキやパフェを心から味わって食べましょう。そうやって存分に満たしてあげれば、スナック菓子をだらだら食べ続けるようなことは、かえって減るはずですよ」
東京国際クリニック 管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士
