もっと知りたい! インターバル速歩のお悩み解決Q&A
第3回 インターバル速歩では物足りないとき、見直すべきは何?
田中美香=医療ジャーナリスト
「普通歩き3分」と「早歩き3分」を繰り返すインターバル速歩は、筋力アップと脂肪燃焼、さらには血圧低下など、さまざまな健康効果をもたらすことが明らかになっているウォーキング法だ。だが、実際にやってみると、「本当にこれでいいのだろうか」「もっといいやり方はないのだろうか」など、さまざまな疑問を抱く人もいるだろう。今回はインターバル速歩の提唱者、信州大学学術研究院医学系・特任教授の能勢博さんに、インターバル速歩に関する素朴な疑問を解決していただこう。
『万病を防ぐ! 最強のウォーキング』 特集の内容
- 第1回万病を防ぎ、効果が長続きする「ウォーキングの鉄則」とは
- 第2回ウォーキングは量より質! インターバル速歩の効果を体感しよう
- 第3回もっと知りたい! インターバル速歩のお悩み解決Q&A←今回
第1回、第2回でも解説した通り、「普通歩き3分」と「早歩き3分」を繰り返すインターバル速歩は、運動の「量」より「質」を上げるウォーキング法だ。加齢とともに落ちる体力(筋力・持久力)を高めるだけでなく、脂肪を燃焼させ、血圧や中性脂肪値、血糖値などを抑え、膝関節の痛みやうつ傾向など、さまざまな不調を改善する効果が期待できる。
インターバル速歩の基本ルールは、「普通歩き3分」と「早歩き3分」を1セットとし、1日5セット(計30分)以上を週4日、1週間あたり計120分行うというもの。早歩きのときはダラダラ歩かず、大股で速度を上げ、ややきついと感じて軽く息が弾む程度の運動強度を保つことがポイントだ。普段あまり運動習慣がない人の場合、この早歩きが最大体力(最大酸素摂取量)の60~70%程度に相当する。
このインターバル速歩を実際に実践してみると、「このやり方で本当に大丈夫だろうか」など、素朴な疑問が湧いてくることもあるだろう。そこで今回は、インターバル速歩の提唱者、信州大学学術研究院医学系・特任教授の能勢博さんに、よくある疑問に回答してもらおう。

Q
基本ルールに沿ってインターバル速歩をやってみましたが、何だか物足りません。どうすればいいですか?
A
運動強度が下がり、ダラダラ歩いてしまっている可能性があります
インターバル速歩を基本ルールに沿って行えば、ほぼ全員に、確実に効果があります。「ほかの人と同じように歩いているのに、私だけ血圧が下がらない」など、手応えがないと言う人もいますが、それは非常にまれなケースです。
多くの場合、効果がない原因として考えられるのは、運動の強度が足りないことです。
インターバル速歩で早歩きをするときは、2分も歩けば「もう嫌だ、やめたい」と思うくらいの強度(速さ)で歩く必要があります。物足りないと感じる場合は、そこまできついと感じないスピードで歩いているのかもしれません。このことは、「1日1万歩も歩いているのに効果がない」という人も同様です。ダラダラ歩いていては、いくら1万歩以上歩いても見合った成果は出ません。
あるいは、もしこの方がものすごく体力がある人なら、そもそも早歩きでは運動強度が足りていない可能性もあります。その場合は、坂道を上るウォーキングや、ジョギング、トレイルランニングなど、もっと強度の高い運動にするといいでしょう。