過去30年のうちに患者数が5倍に増えた成人男性の病気は何だろうか。ヒントは「ものすごく痛い病気」。答えは痛風である。痛風発症の背景にある高尿酸血症の患者数も約1000万人に上り、成人男性に限れば4人に1人に見られる。尿酸値が高くても多くの場合自覚症状はないが、尿酸値は血圧、血糖値(HbA1c)、血中脂質に続くメタボリックシンドローム進行の「第4のマーカー」として重視されるようになってきた。将来、動脈硬化が進んで狭心症、心不全、腎不全などを起こすことを予防し、健康寿命を延ばすためにも、積極的な尿酸値対策が必要だ。対策のスタートは高尿酸血症と診断されたときではない。「正常値でも尿酸値の変化に注目し、メタボ対策に生かしてほしい」と話す複十字病院膠原病リウマチセンターの谷口敦夫センター長に、最新の尿酸値対策を解説してもらった。