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母さん、ごめん 2

母、グループホームで2度目の“独り立ち”

 松浦 晋也

 親を「グループホーム」に入れたらどんな介護生活になるのか。

 そもそも「グループホーム」とは、どこにある、どんなところなのか?

 親が高齢になれば、いずれ否応なく知らねばならない介護施設、その代表的なものの一つである「グループホーム」。『母さん、ごめん。2 50代独身男の介護奮闘記 グループホーム編』で、科学ジャーナリスト、松浦晋也さんが母親をグループホームに入れた実体験を、冷静かつ暖かい筆致で描き出します。

 介護は、事前の「マインドセット」があるとないとではいざ始まったときの対応の巧拙、心理的な負担が大きく変わってきます。本連載をまとめた書籍で、シミュレーションしておくことで、あなたの介護生活が「ええっ、どういうこと?」の連続から「ああ、これか、来たか」になります。

 『母さん、ごめん。2』は、書籍・電子版で6月23日に発売しました。本書の前段に当たる、自宅介護の2年半を描いた『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』は、電子版集英社文庫が発売中です。

グループホームというところ

 母が暮らすことになったグループホームという老人施設――これがどのようなところなのか、おそらく介護を経験したことのない方は、ほぼ間違いなく知らないだろう。そもそも身近に要介護の老人がいなければ、「老人ホーム」という曖昧な言葉が持つ一般的なイメージ以上の知識は、生活の中に入ってこない。なんとなく老人がまとめて集められて、一斉に並んで食事しているぐらいのことしか思い浮かばないのではなかろうか。

 今、日本の介護制度では、法的な裏付けを持つ、それぞれに特化した役割を持つ複数種類の施設が、機能を補完し合いながら、老人福祉を担っている。そのうちの一つが、認知症になった人が入居する「グループホーム」である。

 グループホームの法的な正式名称は「認知症対応型共同生活介護」だが、一般的には「認知症高齢者グループホーム」となるだろうか(この他に児童福祉法や障害者総合支援法が規定する、子どもや障害者を対象としたグループホームがある)。

 その名の通り、加齢で認知症を発症した人が共同生活を営む施設だ。2000年4月に介護保険法が施行されて、現在の介護保険制度がスタートしたのと同時に始まった介護形態である。

 その特徴は、地域密着型であることと、小規模であることだ。

 地域密着型というのは、「その地域に居住する人のみを受け入れる」ということだ。施設の立地する市区町村に住民票がある者のみが入居資格を持つ。その他、医師から認知症の診断を受け、「要支援2」ないし「要介護1~5」の認定を受けていること、ホームで対応できない疾病がないこと、65歳以上であること、という条件が付く。基本的に、「認知症以外は健康な高齢者」のための施設というわけだ。

 もう一つ、入居に当たっては「集団生活を営むのに支障がない」という条件があり、これは入居審査時にホーム側が判断することになっている。

 小規模、というのは文字通り規模が小さいということだ。入居者がなるべくアットホームな環境で過ごせるようにするためである。グループホームの規模は「ユニット」という単位で規定されている。1ユニットは入居者5~9人で、1つの施設は2ユニットが上限となる。

 入居者は基本的に個室を持つ。個室の基準は、私物収納スペースに配慮した上で床面積7.43平方メートル以上となっている。四畳半が7.28平方メートルなので、つまりは押し入れ付き四畳半と思えばいい。施設によっては夫婦など向けに2人部屋を備えるところもある。

 前の連載を終えてから、私は介護関係者との対談の仕事が増えたのだが、その中で会った一人が「グループホームへの入居というのは、成人して独り立ちした時に似ています」と説明していた。確かに、形としては「親元を離れて、賄い付き四畳半の下宿に入居する」というのと似ている。

 スタッフの配置については、昼間は入居者3人につき1人、夜間は夜勤が1ユニットにつき1人という基準がある。が、実際問題として国は度々基準を変更しており、また人手不足ということもあって、どのグループホームも基準を満たす介護体制を組むのにかなりの苦労をしているようだ。

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