老化抑制のカギを握る「オートファジー」 最新研究で見えてきたその驚異の機能
第1回 老化抑制のためには「細胞ケア」が重要
柳本 操=ライター
ちなみに、吉森氏たちの研究チームは、細胞内で起こっているオートファジーの動きを世界で初めて蛍光顕微鏡で捉えたという(下図)。
「オートファジーの役割の一つは、飢餓状態のときに栄養を作り出すことだと考えられています。実際、マウスの細胞を飢餓状態にすると、細胞は生き延びようとしてオートファジーを起こし、それによって作られたアミノ酸などをエネルギー源にします。私たちは、それまで見つかっていなかったオートファゴソームにくっつくタンパク質を発見し、タンパク質を光らせる技術を使うことで、撮影に成功しました」(吉森氏)。ここに写った細胞は飢餓状態であるためたくさんの光が見えるが、普段、栄養が与えられている状態だと少しずつ、しかしコンスタントにオートファジーが起こっているそうだ。