「うつ病」と言われたのに実は「発達障害」 誤診を防ぐには
昭和大学医学部精神医学講座主任教授・岩波明氏に聞く(後編)
黒坂真由子
一緒に働いていくために、周りができることはあるのでしょうか?
岩波氏 なかなか難しい面があるのは、事実です。障害者雇用であれば配慮ができるのですが、一般雇用となるとそうもいきません。上司に発達障害に対する正しい知識があれば、産業医と相談して病院の受診を勧めるのも一つの方法ですが、産業医がいるかどうかは会社の規模にもよりますし、あまり強く勧められないという面もあります。なぜならそういう話をすること自体が、ケースによってはハラスメントと取られることがあるからです。