血圧とともに、健康診断で多くの人が引っかかるのがコレステロールや中性脂肪だろう。基準値を超えていれば「脂質異常症」という病気である。脂質異常症は、自覚症状はほとんどないが、動脈硬化を引き起こす元凶の一つであり、放っておくと脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが高くなる。脂質の中でも注意すべきはLDLコレステロールに代表される、いわゆる悪玉コレステロールだ。コレステロールという言葉は広く知られている半面、誤解されていることも多い。本特集では、そんなコレステロールに対する間違った思い込みを正し、数値を正常化するための最新の対策を紹介しよう。
横手幸太郎(よこて こうたろう)さん
千葉大学大学院医学研究院 内分泌代謝・血液・老年内科学教授

1988年、千葉大学医学部卒業。1998年、同大学院博士課程修了。同大助手、講師を経て、2009年に細胞治療内科学教授に就任。2019年より現職。2020年より附属病院長と副学長を兼務する。専門は脂質異常症、糖尿病、高齢者の病気。日本肥満学会理事長、日本動脈硬化学会理事、国立大学病院長会議会長などを歴任。『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版』(日本動脈硬化学会)の副委員長を務めた。著書に『最新版 今すぐできる!コレステロールを下げる40のルール』(学研プラス)など。