LDLコレステロールは動脈硬化の主犯格! 軽く見ると血管老化の原因に
第1回 コレステロールに関する誤解を解き、正しく対処しよう
伊藤和弘=ライター
悪玉コレステロールがなければ動脈硬化は起こらない
血液中にLDLコレステロールが増えると、その一部が血管壁の中に潜り込んで活性酸素などの作用で酸化される(*2)。こうしてできた「酸化LDL」は異物なので、体内の免疫を担うマクロファージ(白血球の一種)がやってきて食べてくれるのだが、処理する酸化LDLが多いとマクロファージは力尽きて死んでしまい、内部にコレステロールをたっぷりためた「泡沫細胞」に変わる。この泡沫細胞によって血管壁が押し上げられてできるコブが「プラーク」だ。このプラークが破れると血栓(血液の塊)ができ、その血栓で血管が詰まることで心筋梗塞や脳梗塞が生じる(図1)。