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Q&Aで学ぶ新型コロナワクチン・治療薬

「ワクチン3回目の効果は?」「子どもへの接種、どうすべき?」 医師が解説

新型コロナの新たな疑問に日米欧の医師らが総力回答(後編)

 倉沢正樹=日経メディカル元編集長

新型コロナワクチンを打つと不妊になる?

Q.15

子どもへの新型コロナワクチン接種は安全なのですか。

A. ファイザーのワクチンについては、12~15歳の子どもの主な副反応は注射を打った部位の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉痛、寒気、発熱などだったと報告されています。持続期間は成人と同様で、通常1~3日程度でした。日本の接種者を対象とした調査では、接種部位の痛み(頻度は約90%)、発熱、全身のだるさ、頭痛の頻度などが若い成人に多く報告されています。ですから接種後2~3日、できれば1週間程度は、発熱などの症状に気をつけて激しい運動を控えて過ごすのが望ましいでしょう。

 また、発症はまれですが重大な副反応として、mRNAワクチン接種後、心筋炎や心膜炎が発生したとの報告があります。心臓の筋肉である心筋に炎症が起こる病気が心筋炎で、心臓を包む表面の膜に炎症が起こる病気が心膜炎です。心筋炎は重症化すると、心不全や不整脈などの原因になることがありますが、新型コロナワクチン接種後に起こる心筋炎や心膜炎は多くの場合軽症で、短期間で改善したとされています。

 10代、20代の男性については、ファイザーのワクチンに比べて、モデルナのワクチンを接種した後の方が、心筋炎や心膜炎が疑われる報告頻度が高い可能性が指摘されています。希望する場合には、モデルナのワクチンをすでに予約していたり、1回目にすでにモデルナのワクチンを接種した場合でも、ファイザーのワクチン接種に変更する事が可能です。

 まれであっても重大な副反応が起こるなら、子どもにワクチン接種を受けさせたくないと思われるかもしれません。しかし心筋炎や心膜炎は、新型コロナウイルスに感染したときにも発症することがあります。しかもワクチン接種後よりもはるかに高い割合で起こることが報告されています。そのため米国でも日本でも、メリットがデメリットを上回るとして、新型コロナワクチンの接種が推奨されています

Q.16

新型コロナワクチンを打つと不妊になりませんか。

A. 日本で使用されているいずれの新型コロナワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)にも、不妊の原因になるという科学的な根拠はありません。排卵と妊娠は、脳や卵巣で作られるホルモンによってコントロールされています。これら3種の新型コロナワクチンには、排卵や妊娠に直接作用する成分や、卵巣や子宮に影響を与える成分は含まれていません。また、臨床試験で新型コロナワクチンの接種を受けたグループと偽ワクチン(プラセボ)の接種を受けたグループの比較から、どちらのグループでも同程度の割合の女性が妊娠していたことが確認されています。

 SNSなどで「新型コロナワクチンを接種すると不妊になる」という説が唱えられていた理由の1つは、受精卵が着床する際に重要な役割を担う「syncytin-1(シンシチン-ワン)」というたんぱく質と、新型コロナウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」が似ているから、ということだったようです。新型コロナワクチンを接種すると、体内でウイルスのスパイクたんぱく質に結合する抗体が作られます。その抗体がウイルスと間違えてsyncytin-1に結合し、その結果、着床不全が起こって不妊になるのではないか、というわけです。

 しかしこの説はすでに否定されています。新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質とsyncytin-1の化学的な類似性は高くなく、新型コロナワクチン接種後に体内で作られた抗体はsyncytin-1に結合しなかったと報告されているのです。

 なお、新型コロナワクチンには男性の生殖機能に影響を与える成分も含まれていません。ワクチン接種が男性の不妊の原因になるという科学的な根拠もないということです。

電子書籍

新たなギモンに日米欧の医師らが総力回答!
新型コロナワクチン・治療薬 最新Q&A50

 大好評を得た「日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100」(2021年4月発行)に待望の続編新刊。

 「子どもへの新型コロナワクチン接種は本当に大丈夫?」「治療薬が出てくればワクチンは必要ないの?」「ブースター接種って何?」など、新たに出てきた新型コロナワクチン・治療薬の疑問に、日米欧の医師らが国の発表や医学論文などに基づいて中立の立場で丁寧に回答します。

 子どもにワクチンを受けさせるべきか迷っているご両親必読。本書を読めば新型コロナのフェイク情報に騙されることはありません!

著 者:コロワくんサポーターズ
発行日:2021年12月22日
価 格:880円(10%税込)
発 行:日経メディカル開発

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