知っておきたい糖化を進める食品、抑える食品、そして「NGな食べ方」
第3回 調理法は「蒸す・ゆでる」がお勧め 食後の「ちょこまか運動」も効果的
柳本操=ライター
体の外側と内側で老化を進行させる原因となる「糖化」。糖化研究の第一人者である昭和大学医学部教授の山岸昌一さんは、「糖化は口から入る食品の影響が大きい」と話す。糖化について詳しく聞いてきた今回の特集の最終回では、糖化の進行をできるだけ抑えるための「食事のポイント」と、食事以外の生活習慣で気をつけたほうがいいことについて、山岸さんにまとめて聞いていこう。
『老化の元凶「糖化」の防ぎ方』 特集の内容
- 第1回老化を加速する「糖化」の恐怖 生命活動を担う重要なたんぱく質も餌食に
- 第2回糖化は感染症の重症化や脳の老化にも関わる リスクが高い人の特徴は?
- 第3回知っておきたい糖化を進める食品、抑える食品、そして「NGな食べ方」←今回

AGEsは体内で生成されるだけでなく、食品にも含まれる
この特集では、体内で余った糖がたんぱく質にくっついて「糖化反応」が起こり、それが時間をかけてAGEs(終末糖化産物:Advanced Glycation End Products、エージーイーズ)になり、そしてAGEsが蓄積することで老化が進んでしまう仕組みについて解説してきた。
しかも前回、このAGEsが、新型コロナウイルスなどの感染症の重症化リスクや、アルツハイマー病などによる脳の病気とも関係しているということについて、糖化研究の第一人者である昭和大学医学部教授の山岸昌一さんに説明してもらった。
最終回となる今回は、影響の大きい「食べ物」について聞いていこう。
AGEsの蓄積が、見た目の老化だけでなくさまざまな疾患に関わること、また、感染症の重症化や脳の老化のリスクを高めることなどについても伺ってきました。最終回では、「食べること」によって体内で蓄積されていくAGEsをどう抑えていけばよいかについて教えてください。
山岸昌一さん(以下、山岸) AGEsが体にたまる要因は大きく分けて2つあり、どちらの対策も必要です。
1
高血糖状態が長く続くことによって、体内で糖がたんぱく質にくっついてAGEsが作られる
2
AGEsがたくさん含まれる食べ物を食べることで、外から取り込まれる
これまで体内で生成されるAGEsのことを主に解説していましたが、実は食べ物にもAGEsは含まれています。食事で口から入ったAGEsのうち7%ぐらいが体内に吸収されるという報告もあります。この食事由来のAGEsは、体内に存在するAGEsの約3分の1に相当すると考えられます。