長寿のまち・京丹後の高齢者は、よく動く!よく話す!よく眠る!
第2回 血管年齢が全国平均よりも10歳若い長寿者の生活
田村知子=ライター
100歳以上の「百寿者」の割合が全国平均の3倍にもなる、日本有数の長寿のまち、京丹後市。この地域の長寿者は、単に寿命が長いだけではなく、健康で自立した生活を送る「健康長寿」を実現している人が多い。なぜこの地域には健康で長生きの高齢者が多いのか。特集第2回となる今回は、全国平均よりも10歳若いことが判明した京丹後市の高齢者の血管年齢に関する詳しいデータを見ていくとともに、短命地域・青森県弘前市の高齢者と比較しながら、健康長寿のために心がけたい生活習慣について考えていく。
『長寿のまち・京丹後の「健康長寿の秘訣」を探る』 特集の内容
- 第1回100歳以上が全国平均の3倍! 京丹後の長寿者はここがすごい
- 第2回長寿のまち・京丹後の高齢者は、よく動く!よく話す!よく眠る!←今回
- 第3回長生きする人が食べているものは? 百寿者の食卓の秘密を探る
全国平均よりも10歳若い「血管年齢」
100歳以上の「百寿者」の多さで注目を集める長寿地域、京丹後市。本特集の第1回では、この地域の健康長寿の秘訣を探る疫学調査「京丹後長寿コホート研究」のプロジェクトリーダーを務める、京都府立医科大学大学院医学研究科循環器内科学教授の的場聖明さんに、調査から見えてきた丹後地域の長寿者の特徴について聞いた。ここで今一度、その特徴を紹介しておこう(図1)。

丹後地域の高齢者の特徴の中でも、特に目を引くのが「血管年齢の若さ」だ。全国平均より10歳ほど若く、80歳以上でも60~70代に相当する血管年齢が保たれていることが判明している。
「この血管年齢の全国平均は、日本健康増進財団が発表しているものですが、『スーパーノーマル』と呼ばれる、極めて健康な約3万5000人のデータを基にしたものです。そのデータと比較して血管年齢が10歳若いということは、かなり驚くべき事実です」(的場さん)
血管年齢は「CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)」と呼ばれる方法で、心臓から足首までの脈(脈波)の伝播スピードから計算される。脈波は血管が硬いと速く伝わり、血管が柔らかいとゆっくりと伝わる。血管が硬くなり動脈硬化が進むほどCAVIの指標は高くなり、8.0未満は正常範囲、8.0以上9.0未満は境界域、9.0以上で動脈硬化が疑われる。
京丹後市の高齢者の血管年齢は、全国の平均値と比べると、およそ10歳若い人たちと同レベルに保たれていた(図2)。
