日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > Q&Aで学ぶ新型コロナワクチン  > 「新ワクチンの仕組み」「効果いつまで?」「変異株は?」 医師が解説  > 2ページ目
印刷

Q&Aで学ぶ新型コロナワクチン

「新ワクチンの仕組み」「効果いつまで?」「変異株は?」 医師が解説

「コロワくんの相談室」発のワクチンQ&Aを厳選してお届け(前編)

 倉沢正樹=日経メディカル元編集長

ワクチンの効果はどのくらい続く? 日本製のワクチンは?

Q.3

従来のワクチンと新型コロナワクチンの違いはなんですか?

A. 従来のワクチンは、不活化ワクチン生ワクチンと呼ばれるものが中心でした。これらのワクチンは、鶏卵などに病原ウイルスそのものを感染させて増やした後に感染力を持たないように不活化したものや、弱毒化して病原性を持たなくしたウイルスを培養して増やしたものから作っていました。このような方法でワクチンを作る場合、ウイルスの大量培養や安全な弱毒化・不活化の条件探索に膨大な時間がかかります。それが、「新型コロナワクチンの開発には早くても5年以上かかるのではないか」と流行当初に指摘されていた理由です。

従来のワクチンと新型コロナワクチンの違い
従来のワクチンと新型コロナワクチンの違い

 一方、新型コロナワクチンとして実用化されたmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンの製造では、病原ウイルスそのものは使いません。病原ウイルスの遺伝子情報の一部(RNAやDNA)を用いて、ヒトの体内で病原ウイルスのたんぱく質を作らせて、免疫を誘導する仕組みです。したがって病原ウイルスの大量培養や弱毒化・不活化は不要です。このような特徴の恩恵を受けて、有効性と安全性の確保において大切な臨床試験は省略することなく、開発スタートから1年足らずで新型コロナワクチンを実用化することができたのです。

 なお、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンは、急に出現してくる感染症に対応して素早くワクチンを開発することができ、病原ウイルスの変異への対応力も高い次世代型ワクチンとして期待され、新型コロナウイルス感染症が広がる前から開発が進められていたものです。

Q.4

急いで作った新型コロナワクチンは、危険ではないですか?

A. 迅速に新型コロナワクチンを作ることができた理由はいくつかあります。まず、技術開発自体は10年も20年も前から進んでいたものであり、いつでも将来の感染症の危機に備えてワクチンを作る準備が整っていました。その集大成が、このパンデミックという危機に直面して発揮されたと考えてよいでしょう。

 また、安全性や有効性を確かめる臨床試験も、他のあらゆる新薬と同様に第1相試験から第3相試験までの安全性、有効性の厳格な審査を経ています。安全性を担保しつつ効率化を行いましたが、決して各段階のいずれかを省略して今に至ったわけではありません。

Q.5

日本の製薬会社が開発した新型コロナワクチンを打ちたいのですが。

A. 日本の製薬会社も新型コロナワクチンの開発に乗り出していますが、実用化はもう少し先になりそうです。開発を進めている会社(ワクチンの種類)は、塩野義製薬など(組み換えたんぱく質ワクチン)、第一三共など(mRNAワクチン)、アンジェスなど(DNAワクチン)、KMバイオロジクスなど(不活化ワクチン)、IDファーマなど(ウイルスベクターワクチン)となっています。もっとも先行しているのはアンジェスとみられ、第2/3相臨床試験のワクチン接種が3月初旬に完了したところです。数カ月の経過観察を経て安全性と免疫原性の評価を行う予定です。塩野義製薬は2020年12月に第1/2相臨床試験を開始しました。第一三共は2021年3月に第1相臨床試験を開始予定です。

新型コロナワクチンの開発に取り組む日本の製薬会社(2021年3月現在)
新型コロナワクチンの開発に取り組む日本の製薬会社(2021年3月現在)
厚生労働省の資料を基に情報を追加して作成

Q.6

新型コロナワクチンの効果はどのくらい続きますか?

A. 日本の予防接種で使われている米ファイザーのワクチンについては、2回目の接種から6カ月間は有効性が維持されることが示唆されています。今後承認が見込まれる英アストラゼネカ、米モデルナのワクチンについても、2回接種後に最低でも3カ月間は十分に抗体の量が維持されることがわかっており、さらに長い期間の効果持続も期待されています(2021年3月現在)。どれほど効果が持続するかについての調査は現在進行形で行われており、今後さらに明らかになっていくでしょう。

新型コロナ
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニング

    中年にもなると、お腹がぽっこり出てくるのが気になる人も多い。特に薄着の季節になると、お腹が出ているのが気になり、何とか短期間で凹ませたいと思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、効率よくお腹を凹ませるために知っておきたい「内臓脂肪」の落とし方と、トレーニングのコツ、そしてお腹を凹ませる「ドローイン」のやり方について解説しよう。

  • 脳を衰えさせる悪い習慣、活性化する良い習慣

    「もの忘れがひどくなった」「単語がスッと出てこない」「集中力が落ちてきた」……。加齢とともに脳の衰えを実感する人は多いだろう。「このままだと、早く認知症になるのでは?」という心配が頭をよぎることもあるだろうが、脳の機能は加齢とともにただ落ちていく一方なのだろうか。どうすれば年齢を重ねても健康な脳を維持できるのか。脳に関する興味深い事実や、健康な脳を維持するための生活習慣について、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 疲労解消は「脳の疲れ」をとることから

    しつこい「疲労」の正体は、実は脳の自律神経の機能の低下であることが近年の疲労医学の研究で明らかになってきた。本記事では、放置すると老化にもつながる「疲労」の怖さとその解消法を、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.