コロナ禍に自粛太りして、慌ててダイエットしているという人も多いのでは。食べる量を減らそうとする場合に注意すべきは「朝食を抜かない」こと。時間栄養学の最新研究から、朝食を抜くのはダイエットには逆効果ということが分かってきました。体を活動モードにするためにも、ぜひ栄養満点の具だくさん味噌汁を。「朝の一汁」が、代謝の良い体作りの新提案です。
『糖と油の新常識』 特集の内容
- 第1回油の新常識! どの油をとるかで太りやすさや病気のリスクが変わる
- 第2回目からウロコの糖の新常識! ちゃんと食べても太らない糖質のとり方
- 第3回太りにくく老けにくい! 究極の朝食は「一汁でいい」←今回

ダイエット中は、1日の総カロリーを調整するべく朝食を少なくしている人もいるのでは。でも、「朝食こそしっかり食べるべき」と話すのは、管理栄養士の小島美和子さん。
「人の体には1日のリズムを刻む“体内時計”があり、毎朝、この時計をリセットしたところから体温が上昇し、代謝が上がり始める。朝から元気に動くことができれば、より多くのエネルギーを消費できるはず。この体内時計をリセットするのが“太陽の光”と“朝食”」と小島さん。特に、たんぱく質と糖質が重要なポイントだという。
「まず、日の光を浴びて脳にある体内時計のリセットスイッチを入れ、たんぱく質と糖質をとることで全身の組織にある体内時計が新たな1日を刻み始める。これが体内時計の仕組み」(小島さん)。このリズムがくずれると、代謝が悪くなり太りやすくなるという。
ただ、毎朝たんぱく質たっぷりのおかずを作るのは考えただけでも大変だ。
そこでお薦めなのが、「具だくさん味噌汁」。肉や魚、卵などのたんぱく質食材に、野菜をたっぷり入れれば、味噌汁ひとつで主菜と副菜を兼ねられる。前の晩に準備しておけばラクだ。
具沢山みそ汁があればおかずはなくていい!
朝からしっかりとっておきたいたんぱく質や野菜も
具沢山味噌汁ひとつですべて補える

※摂取目標量は、「日本人の食事摂取基準2020年版」より1日分の1/3量で計算。

「朝、温かいものを体に入れることで胃腸が目覚め、体温も早く上がる。発酵食品である味噌や野菜の食物繊維もとれるので、腸内環境改善にもつながる」と小島さん。朝食をしっかり食べておくと、昼食後や夕食後の血糖値の急上昇が抑えやすいというメリットも。
ダイエット中であっても「朝ならたっぷり糖質をとってもいい。しっかり食べることで、集中力が高まり、仕事のパフォーマンスアップにもつながる」と小島さん。朝しっかり食べておけば、昼食や夕食の過食も自然と抑えられるという。
ダイエット中でも、朝は白米でOK!
血糖値をしっかり上げ、
午前中からパフォーマンスアップ
朝は、体を目覚めさせるためにも血糖値をしっかり上げるのがポイント。ダイエット中でも、具だくさん味噌汁と一緒の朝食なら気にせず白米を。夕食は、食物繊維の多い雑穀米や玄米を取り入れるといい。「夜、完全に糖質を抜いてしまうと翌朝の血糖値が上がりにくくなるので注意」(小島さん)。

次のぺージから、小島さん考案の、具だくさん味噌汁レシピを紹介していこう。
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