やっぱり炭水化物抜きのダイエットはきつい、糖質制限しても思うようにダイエット効果が出なかったーー。そんな人は食材の選び方や糖質の減らし方が間違っていたのかも。第1回で紹介した「油の新常識」に続き、今回は「糖の新常識」を紹介します。ちゃんと食べても太らない、炭水化物や果物のとり方を教えます!
『糖と油の新常識』 特集の内容
- 第1回油の新常識! どの油をとるかで太りやすさや病気のリスクが変わる
- 第2回目からウロコの糖の新常識! ちゃんと食べても太らない糖質のとり方←今回
- 第3回太りにくく老けにくい! 究極の朝食は「一汁でいい」

食物繊維の働きで太りにくいサツマイモ
エネルギーになりやすい砂糖や清涼飲料水は運動時に

同じ糖質量であっても、砂糖と焼き芋、ジュースでは太りやすさは異なる。
「糖を脂肪に変えてため込むのはインスリンの働きだ。使われていない糖を中性脂肪に変えてせっせと脂肪細胞に貯蔵する」と岐阜大学医学部附属病院の飯塚勝美講師は説明する。インスリンは血中ブドウ糖濃度(血糖値)に応じて分泌されるので、同じ糖質量のものを食べるにしても、糖の吸収が早い(=血糖値が上がりやすい)ほど太りやすい。つまり、血糖値を上げにくい食べ方が太りにくい食べ方というわけだ。
糖がいくつかつながったでんぷんやオリゴ糖は、そのままでは吸収されず、消化によって単糖に分解されて初めて体内に吸収される。この消化ステップが多いほど吸収までの時間は長く、糖がたくさんつながったでんぷんは、ブドウ糖と果糖がひとつずつ結合した砂糖に比べると吸収はゆるやか。
一方、清涼飲料水などによく使われている果糖ブドウ糖液糖は、ブドウ糖と果糖の混合シロップのため、砂糖よりももっと吸収が速い。ダイエット中にはお薦めしないが、速やかなエネルギー補給が必要な運動時などには適している。
食品に含まれる食物繊維も、糖の吸収速度に関与する。「サツマイモは糖質量が多く、太りやすい食材と考えられがちだが、実は食物繊維が多く、糖と複雑に絡み合っているため、その分糖の吸収が緩やかと慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授は説明する。小腸で消化しきれなかった糖が大腸まで運ばれ、腸内細菌のエサになるなど、腸内環境にもいい影響を与えるという。

※炭水化物=糖質+食物繊維