コロナ禍で、おウチ時間が増えたのについ夜更かししてしまう、睡眠時間は十分すぎるくらいとっているのに、なぜか疲れている──。満足できる睡眠を得ている人はまだ少ないようです。
最新研究では、睡眠が十分でない人は老化リスクが高いというデータも出ています。では、「質のいい睡眠」を得るにはどうすればいいのでしょうか。眠りのリズムを整え、脳も体も若く保つための睡眠のポイント、寝室の作り方を紹介します。
『体と脳が老けない睡眠』 特集の内容
- 第1回睡眠が十分でないと老化リスクに! 脳と体を若く保つ睡眠のポイント←今回
- 第2回睡眠不足だと怒り倍増? 感染症リスクも 睡眠と健康のヒミツ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家で過ごす機会が増えたことで、以前に比べ睡眠時間が確保できるようになったという人は多いだろう。ところが、どうやら、満足な睡眠を得ている人はまだ少ないようだ。

「質のいい睡眠は健康の基本。日中のパフォーマンスや疲労からの回復だけでなく、肥満や高血圧といった生活習慣病とも関連が深い」と国立精神・神経医療研究センターの栗山健一部長は説明する。「ただ長く眠ればいいというわけではない。入眠直後の深いノンレム睡眠と、その後に続くレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すリズムが重要で、このリズムが崩れると、成長ホルモンが十分に分泌されなかったり、中途覚醒が増えて寝起きに疲労感が残ったりする」と栗山部長。
成長ホルモンは、エネルギーを作って疲労を回復し、代謝を促すホルモンで、分泌量の低下は、筋肉量の減少や、骨や肌などの老化につながる。

では、質のいい睡眠を得るにはどうしたらいいのか、次のページから紹介していこう。